取材で全国の駅に降りるたび、
限られた時間で当たりを引いてきた記録。
乗り換えの隙間にホームの立ち食いへ。揚げたての白えびのかき揚げが、つゆに沈むほんの数十秒がいちばん旨い。富山に来た実感は、たいていここで湧く。
布海苔(ふのり)で打つあの喉ごしは、駅から6分歩いてでも食べる価値がある。冷たい一枚をたぐる間だけ、締切を忘れた。
人のいないロータリーを抜けた先の一軒。ふっくらと炊いた穴子の照りで、寝不足の頭が一気に起きた。
名物に背を向けるのは勇気がいる。だが味噌でくたくたに煮えたもつの一杯は、新幹線待ちの15分にちょうどいい。